AbemaTVの番組指定配信が作る“ブランドと番組イメージとのシンクロ効果”とは?
小島 功(こじま こう)
株式会社AbemaTV 広告本部 プロダクトマーケティングスペシャリスト
2003年にサイバーエージェントに入社し「アメブロ」のデザイン制作やマネタイズ業務などに携わる。2016年より「AbemaTV」の広告商品開発や価値証明を担当し、2019年より広報業務も兼任。
「無料で楽しめるインターネットテレビ局」として開局してからまもなく4周年を迎えるAbemaTVですが、おかげさまでたくさんの視聴者のみなさまにお楽しみいただけるレギュラー番組が増えたことで、広告においても特定の番組を指定したお問い合わせやご発注が増えています。テレビでいう「タイム広告」に当たるものですが、番組を選ぶということはどういう広告価値をもたらすものなのでしょうか。
今回は、ティーン層を中心とした若年層の支持を受け、AbemaTVを代表するカテゴリーとなった『恋愛リアリティーショー』を事例として、AbemaTVのCM配信メニューのひとつである「Program(番組指定配信)」の効果について解説していきたいと思います。
女性商材ブランドのCMを『恋愛リアリティーショー』番組に指定配信
ここでは、ある女性商材ブランドのCM配信事例をお伝えします。
CM配信前の女性ユーザーへのアンケートでは、購買に向けた重要KPIである「純粋想起」「ブランド好意」等が、競合ブランド比で低い(5ブランド中4位)という課題があり、特に若年層においては、女性全体やF1層と比較してもさらに低いという結果が出ていました。
そこで、若年層に人気の『恋愛リアリティーショー』番組指定で、3週間かけて15秒CMを配信し、AbemaTVの若年層にリーチしました。
番組とブランドのイメージがシンクロし効果が最大化
配信した結果、若年層向けの番組でリーチしたことで、第一純粋想起は単純に向上が見られただけでなく、ブランドが「ティーン向けのブランドである」というイメージを持つユーザーが増えるという傾向が見られました(左図)。さらに、恋愛リアリティーショー番組自体に「ティーン向け/ティーンに人気である」というイメージを持つユーザーほど、広告接触者全体よりもブランドに対して「ティーン向け/ティーンに人気のブランドである」というイメージを持つユーザーが多くなるという結果になりました(右図)。このことから、番組とブランドとの間で“イメージのシンクロ”が発生していることがわかります。
さらに、そのイメージのシンクロは、その先の態度変容の効果にもプラスに働いています。ブランドに対して「ティーン向け/ティーンに人気のブランドである」というイメージを持ったユーザーは、リフトアップ値が大幅に上昇しており、各ファネルにおいて態度変容効果の効率を大きく高めています。
番組は放送日時が決まっているため、同じ視聴者層に対して定期的にリーチできることも番組指定配信の特長の1つですが、広告配信期間である3週間に渡って広告接触を繰り返したユーザーほどリフトアップ値は高まっており、番組を指定し「習慣的」に接点を持つことが購買行動の後押しになっているといえます。
番組のイメージを活用した「番組指定配信」が秘める可能性
消費できないほどの情報が流通している昨今、ユーザーを振り向かせ、自社のブランドや商品を「気になるブランド」に変化させることは容易ではありません。テレビのタイム広告による「あの番組と言えばこのブランド」というイメージ醸成が、視聴者の「気になるブランド」化に貢献している例を聞いたことがありますが、AbemaTVにおいても、今回の事例のように特定の番組のイメージをうまく活用することで、なかなか動かなかったターゲット層に対して“1接触あたりの効果”を高められる可能性があります。
デジタルマーケティングにおいては、キャンペーン単位で、見込み客や顕在層に対し短期的な消費効果を期待されることが多いですが、番組指定配信は、もっと普遍的な「資産となりうるブランド価値」を作る可能性を秘めていると考えます。
AbemaTVには『恋愛リアリティーショー』だけでなく、主婦層に圧倒的な人気を誇る稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さん出演の『7.2新しい別の窓』や、若年層女性に人気のGENERATIONS from EXILE TRIBEが出演する青春応援バラエティ番組『GENERATIONS高校TV』、さらには2018年1月から完全生中継を開始し、地上波の中継と比較しても多くの若い世代に楽しんでいただいている『大相撲』などがあります。
AbemaTVは100%プロの手による制作かつ視聴者層もジャンルも多彩なコンテンツが24時間無料で配信されているという希少性の高いメディアであり、広告主様のブランドとユーザーとの間に「質が高く」「多種多様な」接点を創出していけるよう、今後も努力していきたいと思います。
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調査機関:株式会社マクロミル
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調査対象者:15-69歳女性
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調査期間:2018年9月
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サンプルサイズ:広告接触者n=224/非接触者n=516