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《CMデータ小噺》 第1話 輝けCMデータ、分析官が躍動する組織体制とマインドセット(前編)

《CMデータ小噺》 第1話 輝けCMデータ、分析官が躍動する組織体制とマインドセット(前編)
話し手 阿部 昌利(阿部)

話し手 阿部 昌利(阿部)

株式会社AbemaTV データサイエンティスト

分析担当。データを扱うが、感性重視で発言する

聞き手 篠塚 淑子(ヅカ)

聞き手 篠塚 淑子(ヅカ)

株式会社AbemaTV 経営管理局

広報担当の一児の母。舌鋒鋭い

データサイエンティストという職業が、『ハーバード・ビジネス・レビュー』で「21世紀で最もセクシーな職業」と表現されてから7年が経ちました。以来、獲得競争が続く職種ですが、AbemaTVにも、よりよい広告配信のために働くデータサイエンティストがいます。

この連載では、そんなデータサイエンティストたちが、地上波放送では得られないデータを武器に、CMやAbemaTVを解き明かしていきます。

データの分析記事を発表する前に、まずはAbemaTV広告の分析部隊が、どんなスタンスで働いているのかを紹介します。2019年2月に開催された、技術カンファレンス「CA BASE CAMP 2019」にて、弊社のデータサイエンティストである阿部が、AbemaTV広告におけるデータサイエンスチームの在り方を発表してきましたので、その内容をカジュアルなインタビュー形式で、前編・後編に分けてお伝えします。

1.データサイエンティストの仕事の幅は意識で決まる

ヅカ

では登壇時に話した内容をまとめていきましょう

阿部

了解しました!

ヅカ

まずは趣旨からお願いします

阿部

一言で言うと「データ分析で解決できる問題に幅広く取り組もう」という話です

ヅカ

あれ、プロフェッショナルなら当たり前じゃないですか?やれることをやるのは

阿部

まあそうなのですが、データ分析で、何ができて何ができないか、どんなことに応用できるかって、やっぱり実際にデータを扱う立場じゃないとイメージしにくいと思っています。他の人が判断できなくて、自分たちで決めざるを得ないので、データサイエンティストは自身の意識で仕事の幅が決まりやすいかなと

ヅカ

そういう意味ですね。でも、職種限らずその部分はあると思います

阿部

はい。もちろんです。ただ我々データサイエンティストは、新しい職種で一般的なロールモデルさえもまだ不明瞭なので、その姿勢が、仕事の幅や成果を左右しやすいと考えています。そして私が入社して1年間、AbemaTV広告の分析に関していうと、割と「何でもやってやろう」というスタイルで通してきました。そのスタイルを実現するコツについて、今回はまとめて発表しました

ヅカ

なるほど。わかりました。それでタイトルが「全方向的なデータ分析」になっているわけですね

(おかげさまで、CA BASE CAMP 2019は盛況でした)

2.アウトプットがビジネス成果に結びつかないリスクを避ける

阿部

ただし、とにかく何でもやる、というのはいけません

ヅカ

あれ。さっき「何でもやってやろう」って言ってましたよね?

阿部

はい、気概としてはそうですが、仕事として全部できるかというと、できません。現在、私ともう1人しかデータサイエンティストはいませんし。例えば業界用語に集計奴隷というのがあります。

ヅカ

奴隷!

阿部

「あの数字見たい、このデータ見たい」という依頼を片っ端から引き受けて、集計ばかりする羽目になって、目の前の人を満足させるために日々が過ぎてしまう、という状態です。そうではなく、商品開発のための分析や、みんなの役に立つ結果を得られる分析に集中する必要があります

ヅカ

いい仕事に取り組めるよう、コントロールするわけですね

阿部

はい、実際の体制を表したのが次の図です

発表資料 p.16

(まだ2人しかいないので、データサイエンスコンビと表現しています)

 

阿部

依頼は集約します。そして仕事の優先順位をみんなで議論します。もう1つ大事なのは、期限を決めて進捗管理をすることですね。分析って、時間をかけようと思えばいくらでも時間をかけられちゃうので、必要十分な質のアウトプットを、適切なスピード感で実施できる体制を整えておくと便利です

ヅカ

それは確かに大事ですね

阿部

総じて、ータ分析は、アウトプットがビジネス成果に結びつかないリスクが高いので、それを避けるのが、データ分析組織の基本だと考えています

3.優先タスクに支障がない限り、自由に機動的に分析する

ヅカ

でも阿部さんがチャットで「はい、よろこんで!」「お待たせしました!」みたいなやり取りしているのをたまに見かけるんですが、あれは集計奴隷になっていませんか?

阿部

惜しいですね。あれは「やれるだけやる分析」です

ヅカ

…?補足、お願いします

阿部

わかりにくくて、ごめんなさい。先ほど申し上げた分析体制が基礎としてはあります。ですが、筋の良さそうな仮説を相談されるケースや、ふとした思いつきを試したいケースが発生します。そうした場合は、優先度を決めたタスクに支障のない範囲で、自由に機動的に分析する、ことにしています

ヅカ

わかりました。手の空いている範囲で行う分析ということですね

阿部

はい。ちなみに、そのためのコツが2つあって。1つは期限を確約しないこと。もう1つは勝手にやることです

ヅカ

ズルくないですか?

阿部

ズルいです。ただ、私はデータを通じて意見交換するのが好きなので、実際には、何かを引き受けたら結構スピ-ディーに返しますし、勝手に分析した結果をトリビアとして発表もします

ヅカ

毎週、事業部の朝会で発表してましたよね。初めて見たときは内容の切り口が独特でびっくりしました

阿部

はい。そういう活動を通じて、組織全体としてデータ活用のアイディアが生まれやすい場をつくっていくことが大事だと、私は考えています。今後は、このオウンドメディアを通じて、話題になる分析結果を提供していけたらと思います。朝会からWeb上に活躍の場を広げられてよかったです

ヅカ

いえ、まだWeb上では活躍してません。これからに期待しています

阿部

はい、頑張ります!

> CMデータ小噺 第1話 輝けCMデータ、分析官が躍動する組織体制とマインドセット(後編)

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