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テレビデバイスの変革②「多面化するティーンの動画視聴」

テレビデバイスの変革②「多面化するティーンの動画視聴」
小島 功(こじま こう)

小島 功(こじま こう)

株式会社AbemaTV ビジネスディベロップメント本部 プロダクトマーケティングスペシャリスト

2003年にサイバーエージェントに入社し「アメブロ」のデザイン制作やマネタイズ業務などに携わる。2016年より「ABEMA」の広告商品開発や価値証明を担当し、2019年より広報業務も兼任。

前回は、CTVの普及により「VOD」を中心としたテレビ視聴時間の成長が「全世代」に対してもたらされていることをご紹介しましたが、今回は世代別の特性をもう少し掘り下げてご紹介したいと思います。(今回もCTV主要ブランドの1つである「レグザ」の最新の視聴ログデータからのご紹介となります。)

同じ「VOD」でもメディアによって異なる「視聴世代」

まず、視聴時間に占める世代ごとの割合を“メディア単位”で比較してみました(図1)。

すると、同じ「VOD」カテゴリでも、「ABEMA」はティーン~ミドル層比率が高く、「YouTube」は全世代まんべんなく、「その他VOD」は女性比率が高い、といった違いがみられました。

つまり、CTV上のテレビ視聴時間拡大の中で、メディアによって“どの世代の受け皿となっているのか”がかなり異なるという傾向がみられるため、カテゴリ単位で一括りにせずターゲットや目的に合わせて細かくマーケティングをすべきだということがうかがえます。

いずれのメディアも「ティーン」による視聴が大きく伸長

さらに、先ほどのメディアごとの世代別視聴時間について直近2年間の伸び率をみてみました(図2)。

すると、「その他VOD」の視聴増加においてシニア層がかなり牽引しているといった個別の特徴もみられますが、いずれの「VOD」メディアでも共通していたのは、ティーンの視聴時間がもっとも伸びているということです。

ティーンにとって“観たいもの”はこれまで主にスマホに詰まっている印象でしたが、CTVの普及はテレビデバイスをも“観たいもの”が溢れる場所に変え、ティーンにおける動画視聴の多面化が急速に進んでいることが想像されます。

「ABEMA」でみられるティーンの視聴番組傾向

ティーンによるCTV視聴が急速に伸びている「ABEMA」ですが、ちなみにどんな番組がティーンに観られているのかについて、スマホと比較した形でまとめてみました(図3)。

すると、両デバイスともに「恋愛」と「アニメ」が主体で観られていることは変わりませんが、CTVにおいては「野球中継」「音楽フェス中継」「ニュース」といった番組も上位にランクインしており、“長尺かつライブ価値の高い番組”がCTVでは優先して視聴されやすい傾向がみられるのは興味深いところです。

「ABEMA」はVODの括りの中でも、オンデマンド配信だけでなく地上波のような完全編成によるリニア配信もしているというのが特徴で、先ほどのような人気コンテンツのライブ中継も多く配信しています。そういったメディア特性も後押しとなり、長尺かつライブ価値の高い番組をリアルタイムでじっくり観たい場合はCTVで視聴、といったデバイスの使い分けが「ABEMA」のティーンの中で徐々に進んでいるのかもしれません。

今回は、同じ「VOD」でもメディアによって視聴されている世代が異なり、細かくマーケティングをする必要性があること、そしてティーンにおいてテレビデバイスを含めた動画視聴の多面化が進んでいることをご紹介しましたが、次回は、時間帯という観点での傾向を中心にご紹介したいと思います。

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