- Column
テレビデバイスの変革②「多面化するティーンの動画視聴」
2022.07.28
小島 功(こじま こう)
株式会社AbemaTV ビジネスディベロップメント本部 プロダクトマーケティングスペシャリスト
2003年にサイバーエージェントに入社し「アメブロ」のデザイン制作やマネタイズ業務などに携わる。2016年より「ABEMA」の広告商品開発や価値証明を担当し、2019年より広報業務も兼任。
前回は、世代別での傾向を中心にご紹介しましたが、今回は時間帯という視点での傾向を掘り下げてご紹介したいと思います。(今回もCTV主要ブランドの1つである「レグザ」の最新の視聴ログデータからのご紹介となります。)
まず、各時間帯にどのカテゴリが観られているのかを、総視聴時間に占める割合で比較してみました(図1)。
ご覧の通り、朝は「地上波」でニュースなどリアルタイムな情報を求め、日中は「VOD」や「録画再生」も含め各自が空いた時間に見たいものを選び、夜はまた「地上波」の大衆人気番組にやや戻っていく、という傾向がまだ主流であることがうかがえます。
しかし、「VOD」は全日平均で全視聴時間の5分の1まで入り込んできており、CTVの普及で選択肢が格段に増えたコンテンツの中から生活者がより満足感を得られそうなものを細かく選択して視聴し回る─ そんな“タイムパフォーマンス主義”の視聴が徐々に増えてきていることがうかがえます。
では、先ほどの各時間帯の状況はどのように推移して今現在に至っているのでしょうか。
各時間帯におけるカテゴリ別の視聴時間について直近4年間の伸び率をみてみたところ(図2)、「VOD」がもっとも伸び「地上波」がもっとも減少しているのは18~24時であるという結果がみられました。
つまり、先ほどの“タイムパフォーマンス主義”の視聴は特に夜帯で進んでいる傾向があり、かつて圧倒的マスメディアが存在したプライムタイムの視聴スタイルが大きく変化してきていることがうかがえます。
また、メディア単位で視聴のピーク帯をみてみたところ(図3)、いずれのメディアも1日の視聴時間のうちの40%以上が18~24時に観られているというデータがみられました。
このように、プライムタイムは各メディアが可処分時間を奪い合うまさに“群雄割拠”の時間帯となりつつあるため、ターゲットや目的に合わせて「どこに線を引くのか」を今まで以上にしっかり見極めることが求められてくるのではないかと考えます。
プライムタイムにCTV視聴のピークを迎える「ABEMA」ですが、ちなみにどんな番組がプライムタイムに観られているのかについて、デモグラ別にまとめてみました(図4)。
ご覧の通り、主体で観ているジャンルが世代間で異なるということと、いずれの世代においても“長尺かつライブ価値の高い番組(図4内「★」マーク)”がその中に割って入ってきているということがお分かりかと思います。
先ほどの図3では、「ABEMA」は他メディアに比べてCTVにおけるプライムタイム視聴時間比率の値がやや高かったのですが、番組のジャンルが非常に多彩であるということと、長尺かつライブ価値の高い番組があることにより、各世代において“タイムパフォーマンス主義”な夜の視聴ニーズを満たしている様子がうかがえます。
最新のCTV視聴ログデータとそこから見える傾向や仮説などを3回にわたりご紹介してきましたが、共通していえるのは、CTVの普及は人々の生活スタイルを変化させてきており、それに合わせてわれわれもプランニングの在り方を変えていかなければいけないということです。
近い将来に来たるその成熟期において本質的な広告投資が実現できるよう、さらに個々のメディアの特性を知り、丁寧にプランニング/効果検証することを今から始めてみてはいかがでしょうか。
「ABEMA」では、透明性と信頼性の担保を目的に国内パブリッシャーで初めてCTV広告においてIntegral Ad Science社の計測に対応し(※1)、また、ブランドリフトやサイト来訪率など投資対効果の計測ソリューションもさまざま用意していますので(※2)、よろしければぜひご活用いただければと思います。
(※1)
●「ABEMA」がコネクテッドTV広告において国内パブリッシャー初となるIAS計測に対応 アドフラウド・視聴完了率の計測が可能に グローバルにおける高水準な広告の品質と安全性を実証
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=27864
(※2)
●「ABEMA」が「ジオデモグラフィック配信」「サイト来訪計測」を含むコネクテッドTV特化型広告ソリューション「ABEMA Ads CTVパッケージ」の提供を開始 ~コネクテッドTV向けの詳細なターゲティングや、クロスデバイスでのウェブサイト送客効果の可視化が可能に~
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=27590