- Case Study
ビッグローブ株式会社
オリジナル番組を起点としたWeb施策により話題化とリーチの最大化を実現
2019.06.10
小島 功(こじま こう)
株式会社AbemaTV 広告本部 プロダクトマーケティングスペシャリスト
2003年にサイバーエージェントに入社し「アメブロ」のデザイン制作やマネタイズ業務などに携わる。2016年より「AbemaTV」の広告商品開発や価値証明を担当し、2019年より広報業務も兼任。
「AbemaTV」は、開局時から展開しているリニア放送に加えて、2017年4月よりオンデマンド視聴機能である「Abemaビデオ」の提供を開始し、2019年より「Abemaビデオ」への広告配信も開始しました。
「AbemaTV」のリニア放送では、24時間完全編成された番組を“受け身”で見る中で時々広告が入るという、テレビCMに近い広告視聴体験を展開してきました。それにより、視聴者からは、「AbemaTV」の広告は“ストレスを感じにくく受け入れやすい”という声を多くいただいています。
しかし『ビデオ広告』については、今まさにこれが見たいという“目的をもった視聴”が多い状況での広告視聴体験となり、リニア視聴とは異なるため、今回は『ビデオ広告』の特長について、ユーザーの実態調査を通して解説していきたいと思います。
まず把握できたことは、「Abemaビデオ」は予想通り“目的をもった視聴”が多いにも関わらず、“広告へのストレスはそれほど高くない”というユーザー評価をいただいているということでした。
なぜ『ビデオ広告』はそのような評価をいただけたのでしょうか?
それは、コンテンツの流れや文脈を踏まえて「広告の配信のタイミングを配慮する」というメディアの徹底した姿勢が関係していると感じています。
先にも軽く触れましたが、「AbemaTV」は“100%プロが制作した高品質な番組を24時間完全編成し配信している”という独自の構造的特長を持つメディアです。つまり、いつどこで、どういう内容でどういう文脈のコンテンツが流れるかを全て把握しているため、広告配信のタイミングに関しても“完全編成”をすることで、ユーザーの番組視聴体験をできるだけ不快なものにしない設計にしています。
その設計は『リニア広告』に限らず『ビデオ広告』上でも踏襲しており、その結果、地上波テレビ以上に不快感を抑えることができているのではないかと考えます。
時々、「ユーザーの興味関心でしっかりターゲティングできていれば多少の強制感や違和感があっても問題ないのではないか?」という声を耳にすることもあります。しかし、広告配信タイミングに違和感をもったユーザーは、広告内容に対して興味関心を持つ確率が極端に下がるということがわかるデータもあり、どんなに興味関心によるターゲティングをしたとしても広告配信タイミングへの配慮が担保できていないとその効果は無くなってしまう、ということを示唆していると思います。
また、『ビデオ広告』では、番組が開始する前にCMを配信する「プレロール広告」を「AbemaTV」で初めて導入したのですが、それについてもストレスを緩和できているという結果が出ています。
「Abemaビデオ」のユーザーは、比較的時間に余裕を持って番組を見にきて、広告による失望や苛立ちを感じることなく見たい番組を視聴しているという傾向もあり、ユーザーが見たくなる品質の高い番組制作やUI改善などのサービス努力を重ねてきたことが、「プレロール広告」のストレス抑制に寄与しているのではないかと感じています。
また、そういったサービス努力は、「プレロール広告」に限らず「AbemaTV」のあらゆる広告接触環境の根本的な品質向上につながることでもあり、冒頭の「広告の完全編成の徹底」も含めて引き続き努力していきたいと考えています。
ちなみに、『リニア広告』でのフリークエンシーが高いユーザーに対しては『ビデオ広告』での広告接触を制限するなど、同一案件における1ユーザーあたりの合計フリークエンシー数を最適化しているため、リーチ拡大と均一的なリフトアップの実現を可能にしています。
2018年末に『ビデオ広告』にて初めて配信した家電ブランド案件では、『リニア広告』と『ビデオ広告』の接触ユーザー重複が全体リーチUUのわずか12%にとどまったほか、各効果指標についても『リニア広告』と同等の高い効果が『ビデオ広告』でも実証されており、積極的な併用をお勧めしています。
今回『ビデオ広告』に関する調査結果をご紹介しましたが、広告主様に安心して予算を預けていただけ、また、低関心層も含めて幅広いユーザーに良い広告体験を届けることが、『ビデオ広告』に限らず「AbemaTV広告」全体の思想の根幹を支えています。
今後も、「AbemaTV広告」の思想やそれを支える品質をお伝えできるような分析レポートなどを定期的にお届けできればと思います。
調査機関:株式会社マクロミル
調査対象者:15-69歳男女
調査期間:2019年1月
サンプルサイズ:各メディアのユーザー評価はn=959、『リニア広告』と『ビデオ広告』の同時出稿案件は広告接触者n=395/非接触者n=504